沢井製薬 の「エカベトNa顆粒66.7%『サワイ』」 が自主回収になっています。


エカベトNa顆粒66.7%「サワイ」について、アセタゾラミドが、ごく微量混入しているとのことで、沢井製薬が自主回収しています。薬局お茶の水ファーマシーでは在庫していない医薬品ですが、他の病院、薬局から調剤されたものを服用されている場合を想定して、こちらで情報提供します。

エカベトNa顆粒66.7%「サワイ」は胃粘膜の保護と治癒に使われるお薬です。ガスターやパリエット、ネキシウムといった胃酸を抑えるお薬というよりも、傷ついた胃粘膜にくっついて、防御してくれるようなお薬です。先発品はガストローム顆粒66.7%という名前で田辺三菱製薬が販売しています。

アセタゾラミドは炭酸脱水酵素阻害薬で、この酵素反応に関わる緑内障、利尿、めまいといった様々な症状に合わせて使われているお薬です。先発品はダイアモックスという名前で販売されています。

沢井製薬は次のように今回の回収について公式発表しています。

エカベトNa顆粒66.7%「サワイ」について、弊社では取扱いのないアセタゾラミドが、ごく微量混入していると
の情報提供がありました。この点に鑑み、弊社は原薬メーカーの製造段階で混入したのではないかと調査してお
ります。結果が判明するまでの間、当該製品の使用を中止いただくとともに、万全を期すために自主回収致しま
す。
詳細は調査中でございますが、仮に混入していた場合でも、ごく微量であるため当該製品の有効性・安全性に影
響を与えるものではないと考えます。従って、本剤の使用による重篤な健康被害が生じる可能性はまずないもの
と考えられます。また、現在までに本件に関連すると考えられる健康被害の報告は受けておりません。

健康問題に関しては、極微量であれば、アセタゾラミドはまったく影響のないものと考えられますので、この発表どおりの認識で問題ないです。問題は、このアセタゾラミドはドーピングにおける禁止薬物であるという点です。アセタゾラミドは筋肉増強剤の隠蔽や利尿作用による減量に使われることがあり、TUE(治療使用特例)申請をしていない限り、ドーピングにひっかかってしまいます。TUE申請とは、禁止薬物であっても、治療上必要であれば例外的に使用を認めるという申請のことです。詳しくは日本アンチ・ドーピング機構のHPをご参照ください。

TUE(治療使用特例)申請 → https://www.realchampion.jp/process/tue

今回のように、胃薬に禁止薬物が混入していた場合は未然にTUE申請することはまず不可能です。薬局お茶の水ファーマシーとしては、メーカーの自主回収の周知徹底のほか、公開されている原薬メーカーの探し方も情報提供したいと思います。 まず、今回の自主回収において、ポイントが3つあります。

①医薬品製造メーカーは原薬メーカーからお薬のもととなる「原薬」を購入して、医薬品を作っていること
②どの原薬メーカーを使っているかどうかの公開はすべての医薬品製造メーカーが行っているわけではないこと
③原薬メーカーの一覧はあるので、ドーピングにおける禁止薬物を摂取しない確率を高めること自体は可能であること

①について、医薬品製造メーカーは自社で原薬を製造している場合と、委託会社に製造してもらっている場合があります。また、様々な原薬メーカーの原薬をミックスしている場合もあります。これは、先発品を作っている会社、後発品を作っている会社に違いはありません。

②について、医薬品製造メーカーはどの原薬メーカーを使っているかをすべて公開しているわけではありません。現場の医師、薬剤師も医薬品製造メーカーから原薬メーカーがどこであるのかを知ることは簡単なことではありません(大抵はメーカーの医薬品情報担当者に聞きますが、非公開の場合もあります)。

③について、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が公開している、原薬等登録原簿から原薬メーカーと製造原薬名を調べることができます。原薬メーカーが判明すれば、原薬メーカーが作っている製造ラインにドーピング禁止薬物があるかどうかがある程度わかりますので、先発品、後発品問わず、禁止薬物を含むラインを使っていない医薬品の選択自体は可能です。ただし、原薬等登録原簿に登録することは任意登録であるため、登録されていない原薬メーカーを使っている場合や、登録している原薬メーカーがすべて製造している原薬を登録していない場合もあるため、あくまで検索できる方法を情報提供しています。

詳しくはPMDAの原薬等登録原簿の公示を参照ください。

 → https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/master-files/0008.html

今回は後発品メーカーである沢井製薬が発端となっていますが、後発品メーカーであるから、先発品メーカーであるからというわけではないです。すべての医薬品製造メーカーが原薬メーカーを公開し、混入が発覚した際には、混入の可能性が考えられないラインでの原薬を使っている医薬品の情報提供を速やかに行うことが求められると思います。

書くのが遅れてしまいましたが、下記に製造ロット番号と会社連絡先を転記します。

ロットの見かた、対象ロット、数量及び出荷時期

残念がら、患者さんにお渡しする状態ではロット、期限がわかりません。調剤した医療機関に問い合わせる必要があります。

なので、今回は対象ロット、数量及び出荷時期に関してはPMDAの公式発表を参照してください。→ http://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-8721

該当しているロットを使っている患者さんには医療機関側が回収するように動いています。

問い合わせ先

担当者 : 沢井製薬 信頼性保証本部
連絡先 : 大阪府大阪市淀川区宮原5-2-30
電話番号: 0120-381-223
FAX番号 : 06-6394-7625

この記事を書いた薬剤師

薬局お茶の水ファーマシー
代表取締役・管理薬剤師
片山 陸(かたやま りく)
「セルフメディケーション.com」管理人
一言:風邪や胃腸炎、花粉症といった急性疾患は薬局でもケアできることを広めたい薬剤師です。
東京理科大学薬学部薬学科卒

 

【薬局お茶の水ファーマシーについて】

薬局お茶の水ファーマシーは御茶ノ水・神保町・九段下周辺で夜間土日も営業している唯一の薬局です。処方箋による調剤のほか、風邪や胃腸炎といった症状に合わせて薬剤師がお薬をご提案できます。夜間土日も営業していることから、神保町界隈のビジネスマンによくご利用いただいております。お医者さんのところに行く時間がない、病院が開いていなかったといった方には特にご利用していただきたい薬局です。 処方せんを予め薬局まで画像で送っていただけますと、対応がとてもスムーズです。当薬局で採用している「空飛ぶ処方せん」というアプリをダウンロードすれば、1分程度で処方せんデータを送信することができます。→ 【動画付き】薬局に事前に処方せんを送るアプリ「空飛ぶ処方せん」の使い方

【通常営業時間】

・11時00分~20時00分(月、木、金、土、日)
・16時00分~20時00分(水曜日のみ) ※祝日、お盆休み、年末年始のお休みに関しては別途お知らせよりアナウンスいたします。

【アクセス】 → 交通案内

・都営地下鉄・東京メトロ「神保町駅」A5出口より徒歩4分
・JR中央総武線各駅停車「御茶ノ水駅」御茶ノ水橋口より徒歩7分

とってもおいしいうどんのお店「丸香」さんの向かい、白いタイルのビル(水野ビル)の3階に薬局お茶の水ファーマシーがあります。

【具体的な業務について】

薬局お茶の水ファーマシーはどの医療機関の処方箋も受け付けております。初めて来局される患者様は在庫をお調べいたしますので、03-5577-7646までお電話ください。薬剤師が在庫をお調べいたします。また、お医者さんのところに行く時間がない、休日でどこもやっていないという場合は当薬局の薬剤師が症状に合わせてお薬をご提案することができます。

・咳、鼻水、鼻づまり、発熱、のどの痛みといった風邪症状の対応
・筋肉痛、肩こり、足のつり(こむら返り)といった症状の対応 ・花粉症の対応
・二日酔い、食欲不振、胃炎といった症状
・乾燥肌、皮膚のトラブル
・各種サプリメントや化粧品の相談
・オンラインお薬相談 → https://peing.net/ja/ochanomizu_ph
・医療機関と連携した受診勧奨

以上が薬局お茶の水ファーマシーが対応できる具体的な業務内容です。ちょっと調子が悪い時、お気軽に薬剤師までご相談ください。ご利用者の方の健康をサポートする、というのが薬剤師の仕事です。

注意事項

薬局お茶の水ファーマシーで販売できるお薬は「一般用医薬品」のほか、厚生労働省が定める「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」がございます。通常、医療用医薬品は処方箋がないとお薬が交付されませんが、「処方せん医薬品以外の医療用医薬品」のカテゴリは薬剤師が対面し、患者記録・販売記録を管理し、必要最低限の量に限り販売ができます。この販売形式を「零売」といいます。神保町は土日で医療機関が休診しており、ドラッグストアにも薬剤師がいないことがあるため、地域医療への取り組みとして、上記のお薬の販売をしております。お求めの方は、当薬局の薬剤師までご相談ください。初回ご利用の方は法令で定められた簡単なアンケートにご協力ください。


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19世紀中頃に、火薬工場の従業員たちに頭痛持ちが多いことを調べた結果、ニトログリセリンの血管拡張作用が原因でした。そこから、狭心症の発作治療薬としてニトログリセリンは使われています。