お薬の形について

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お薬の中には、同じ成分なのに形が違うことがあったりします。水なしで服用できる口腔内崩壊錠、胃を通過して腸で溶ける腸溶錠、ありのままの素錠、溶け出しやすさをコントロールすることもできるフィルムコーティング錠、パッサパサな散剤、さらさらな顆粒剤など、服用される方の特徴に合わせてお薬の形が選択されます。飲みにくい形で処方されている場合に患者さんから事情をお伺いして医師にお薬の形の変更を依頼することもあります。

そんなお薬の形は普段はあまりスポットライトが当たりません。当たらないので、今回お薬の形についてお話したいと思います。

一般的に、市販されているお薬の形はだいたいがフィルムコーティング錠、素錠、糖衣錠、口腔内崩壊錠、顆粒、液体、カプセルです。混乱を招かないように、服用方法は極めて簡便で、飲み込むだけのことがほとんどです。そして、医療用医薬品には上記に加えて、徐放錠(カプセル)、腸溶錠(カプセル)、舌下錠も追加されます。また、医療用医薬品の場合、患者さんの状態によっては錠剤の粉砕や、半分に分割(半錠)にすることもあります。

ここで問題になってくることが、剤形を別の形にすることで薬の効果が変わってしまうことがあるということです。

代表的な例として、

・腸溶錠を半分に割る → 腸まで届かずに効果を喪失してしまう

・徐放錠を粉砕する → いきなり溶けてしまうため、急激にお薬の濃度が上がって大変危険

・舌下錠を飲み込む → 意味がない

これ以外にも、薬の性質によっては粉砕してはいけないものもあり、医師から粉砕の指示があったときには薬剤師は粉砕できるかどうかを調べた上で粉砕します。粉砕するとお薬とその形がもつ性質を変えてしまうため、問題があれば医師に他の剤形であったり、類似薬の提案をしたりします。指示がなくても、現場の判断でお薬を粉砕していたケースを過去に見たことがありましたが、粉砕によって予期せぬトラブルが発生することがあるので、飲みづらい、扱いづらいといった使用感の問題であれば、薬剤師に相談したほうが安全かつ効率的です。

お薬によっては、食前食後でも吸収率が変わってくるお薬もあり、単純な錠剤でも飲み方次第で効果に違いが出てしまい、狙った効果を引き出せないことがあります。窓口では薬剤師が剤形に合わせた説明を行っていますが、それ以外の方法で服用したいという場合はぜひ一度相談してください。


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