夏場のお薬の保管方法について

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梅雨が明けたと思えば、湿度の高い夏がやってきました。今年の夏は湿度が平年よりも高いそうで、より熱中症になりやすい夏シーズンと言えるでしょう。熱中症対策のお話はいたるところでされており、ネットであったり職場、学校、様々なところで夏の関心事として認知されてきたように思えます。薬局お茶の水ファーマシーでは、熱中症対策にはOS-1を特におすすめしています。とはいえ、500ml一本で塩分1.5gも摂取しているため、高血圧の方が積極的に取るとかえって負担をかけてしまいますので、血圧が高いと言われた方や、心臓が悪いと言われた方は血液系に負担をかけないように、日中は涼しい部屋でお過ごしいただき、炎天下での運動や外回りは控えていただくことをおすすめしています。塩分濃度が気になるのであれば、アクアソリタやイオンウォーターでも効果はありますが、熱中症対策に効果てきめんなのはOS-1です。3本は家に常備しておくことをおすすめしています。一日1本程度なら十分急場を凌げます。

経口補水液と熱中症のお話を冒頭でしてしまいましたが、今回お話したいことは、夏場のお薬の保管方法についてです。

2019年8月に入って、岐阜県では40℃を超える気温が記録されたそうで、家での保管であっても、注意が必要です。例えば、正露丸の糖衣錠(なめると少し甘い)は白糖やエリスリトールといった甘味料が含まれており、高温多湿な環境に放置してると、糖衣錠同士がくっついて離れないことがあります。夏場に袋に入ったアメがくっついている現象とだいたい同じです。

錠剤であれば、たいてい室温保存(1~30℃)で、包装されている状態なら、処方されて飲みきるまでに薬の安定性が低下することはほぼないです。例外は直射日光に晒してしまった場合です。光によって薬が変質することがあるので、薬を安全に使うためにも、薬は薬箱に入れておくのが一番です。アルミ缶かアルミパックに乾燥剤を入れて保管がおすすめです。錠剤は世の中に出回る前に、様々な安定性試験のデータを申請、承認をうけることが決まっています。医薬品医療機器総合機構(PMDA)が申請・承認を司っているのですが、その中でも「加速試験」といって、「40℃±2℃/75%RH(相対湿度)±5%」で「6ヶ月間」安定であることが提出データとして必要です。つまり、岐阜県の40℃で湿度が70%のところみたいな環境で安定性を予め試験しています(自然環境ではなく、企業内でちゃんと環境を整えて試験されています)。とはいえ、医薬品の剤形、性質的に安定ではない場合、冷蔵保存が医薬品に求められるものもあります。

PMDAで定める加速試験について → https://www.pmda.go.jp/files/000156805.pdf

インスリンは保管する場合は冷蔵庫に入れて保管しますが、一度開封して使用を開始したものは室温で問題ないです。炎天下の野外の場合はクーラーバッグに入れて、保冷剤と直に接触させないようにタオルでインスリンを巻いておくようにして保管します。そして、インスリンはキンキンに冷えたものではなくていいです。冷蔵庫の卵をおくエリアか、野菜室といった、冷蔵庫の温度が比較的安定しているところで保管しましょう。凍結させると、中の水分が凍って体積が増し、インスリンキットの中にあるゴム栓が変形することで、規定量の注射ができなくなることがあります。

インスリンの保管方法について → https://hospital.eisei.or.jp/medicalsupport/medicine/pdf/eiseitopics_065_20110525.pdf

シロップは基本的にすべて冷蔵保存でもかまいません。まれに、キンキンに冷やすと結晶化してしまうものがありますので、冷蔵保管するなら野菜室あたりにしておきましょう。1週間程度なら室温保管でも十分です。

軟膏・クリームの保管は注意が必要です。冷蔵保管しなければならないものが多いのですが、結晶化したり、成分が分離したりするため、もらった軟膏、クリームそれぞれについて保管方法を聞いておいたほうがいいでしょう。

お薬の保管状態によっては、本来の効果を引き出せない場合もあります。場合によっては問題ないケースもありますが、そのあたりは薬剤師と相談していただけるとより確実な回答が期待できますので、気になる場合は薬局お茶の水ファーマシーにお問い合わせいただいて構いません。どうぞご利用くださいませ。


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