イルアミクス配合錠HD『JG』の自主回収が発表されました。
※【修正】2019年9月13日にアップロードしたイルアミクス配合錠HDは「TCK」さんのものでした。正しくは「JG」さんのものです。差し替えました。
2019年9月12日からイルアミクス配合錠HD『JG』が自主回収になっています。
イルアミクス配合錠はイルベサルタンというお薬とアムロジピンというお薬が配合されたもので、メカニズムは違いますが、どちらも血圧を下げる効果があり、単剤で効果不十分なときに処方が検討されます。アムロジピンの量が10mgか5mgかの違いでHD(High Dose)かLD(Low Dose)か分かれます。今回は長生堂製薬が作っているイルアミクス配合錠HD「JG」なので、アムロジピンが10mg入っているタイプの錠剤が回収になりました。
回収理由は、製造工程においてイルアミクス配合錠LD「JG」が混入したためです。イルアミクス配合錠HD「JG」はうすいだいだい色の錠剤で、混入したLDの方は白色の錠剤なので、判別は可能ですが、錠剤の刻印が誤っているため(低用量のイルアミクス配合錠LD「JG」に高用量のイルアミクス配合錠HD「JG」となっている)ため、誤って処方・服用されることが危惧されます。
誤って服用した場合、低用量タイプの服用となるので、血圧がいつもより下げにくくなります。飲んですぐにどうにかなることではないので、イルアミクス配合錠HD「JG」を使われている方は薬剤師までお問い合わせください。薬局お茶の水ファーマシーはイルアミクス配合錠HD「DSEP」を取り扱っているため、ご利用いただいている方には影響はございません。併用薬で服用されているケースに備えて、当薬局HPでも注意喚起致します。
納品されている薬局、医療機関には製造メーカーから連絡が行き、該当する方に薬剤師より電話が入ることがあるかと思われます。薬局の初回アンケートに電話番号が書かれているのは、このような自主回収に対応することもあるため、できる限り連絡のつく番号を伝えておきましょう。
2019年9月13日現在、長生堂製薬の医療従事者向けページにのみ、自主回収の旨が発表されています。
PMDA → http://www.info.pmda.go.jp/rgo/MainServlet?recallno=2-9049
長生堂製薬株式会社 → https://www.choseido.com/
長生堂製薬株式会社(医療関係者ページ) → http://www.nihon-generic.co.jp/medical/search/files/ILUAMHD_RELEASE_190912.pdf
今回の件で明らかになったことは、製造工程は高用量から順番に作っているということでしょう。今回のような製造工程に違う医薬品が混入親しまった場合、少しでもリスクを軽減するために、製薬企業も日々工夫されています。ご自身で服用されている薬が自主回収になったとき、かかりつけの薬剤師に相談してみてください。落ち着いてお薬の服用ができるよう、必ずサポートしてくれます。もちろん、薬局お茶の水ファーマシーにご相談もウェルカムなので、気になる方は当薬局のLINE公式アカウントや、ChatWork、お電話にてお問い合わせくださいませ。
・製造販売業者等名称
製造販売業者の名称 : 長生堂製薬株式会社 製造販売業者の所在地: 徳島県徳島市国府町府中92番地 許可の種類 : 第一種医薬品製造販売業 許可番号 : 36A1X00002
・対象ロット、数量及び出荷時期
PTP 100錠 製造番号 出荷数量(箱) 出荷時期 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ DJ021 3,179 2019年04月01日~2019年06月24日
<回収品に関するお問い合わせ>
長生堂製薬株式会社 品質保証部 TEL 088-638-0210
日本ジェネリック株式会社 お客さま相談室 TEL 0120-893-170

<この記事を書いた薬剤師です>処方せんが必要なお薬だけではなく、風邪や花粉症といった軽症で使用するお薬の相談・販売も承っております。その他にも、栄養剤、サプリメント、化粧品、洗剤など、ケミカルな相談もなんでも受け付けております。薬局のLINE公式アカウント、お電話、薬局窓口までお気軽にどうぞ。
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<Pharmacy Tips !>
#ココナッツオイルは健康食品ではないかもしれない
メタアナリシスの結果、ココナッツオイルの摂取は、サラダ油(nontropical vegetable oils)と比べて、LDLコレステロールの上昇(10.47 mg/dL 95%CI 3.01 17.94 I2=84% N=16)、HDLコレステロールの上昇(4.00 mg/dL 95%CI 2.26, 5.73 I2=72% N=16)と有意に関係していました。血糖、炎症とは関係は認めませんでした。
Circulation. 2020 Jan 13. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.119.043052