2020年3月4日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は喘息およびアレルギー薬モンテルカスト(シングレア/キプレス)の副作用についてブラックボックス警告を発表しました。

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2020年3月4日、アメリカ食品医薬品局(FDA)は喘息およびアレルギー薬モンテルカスト(シングレア/キプレス)の副作用についてブラックボックス警告を発表しました。

ブラックボックス警告は、米国処方箋医薬品のリスクの可能性についてラベルに記載される警告文の1つで、医学的に深刻な、時には生命に関わる副作用を引き起こすリスクを伴うことを示します。警告の文面が黒枠で囲まれることからこうよばれています。FDAによるラベル変更要請の中で、最も強い警告にあたります。

モンテルカストは、シングレア/キプレスという先発品があり、幅広い年齢層に使われるお薬です。抗ロイコトリエン薬という分類で、気管支喘息や息苦しさの症状を起こりにくくすることや、花粉症などのアレルギー性鼻炎に伴う鼻詰まりや鼻水の症状を改善するために使われます。この時期には抗ヒスタミン薬と併用して花粉症の症状を抑えている方もいらっしゃると思います。

2010年3月22日には国内でも添付文書が改定されており、注意喚起自体は行われています。引用はシングレア錠の添付文書より。

プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった2)。また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった3)

2019年6月には、喘息の子供におけるモンテルカストおよび神経精神医学的イベントを研究したMontelukast and Neuropsychiatric Events in Children with Asthma: A Nested Case-Control Study.」が発表されています(神経精神医学的イベントと3497個の一致したコントロールを伴う898例が含む)。新たに発症した神経精神医学的イベントを経験した子供は、コントロールと比較してモンテルカストが処方された確率がほぼ2倍でした(OR 1.91、95%CI 1.15-3.18; P = .01)。ほとんどの場合、不安(48.6%)および/または睡眠障害(26.1%)が認められました。

今回、FDAは利用可能な情報を確認した結果、モンテルカスト使用の利点とリスクを再評価したため、この措置を講じています。モンテルカストの処方情報には、すでに、自殺念慮や行動を含む精神衛生の副作用に関する警告が含まれています。ただし、多くの医療従事者や患者/介護者はリスクを認識していないとFDAは発表しています。

アレルギー性鼻炎の場合、モンテルカストは、他のアレルギー薬で効果的に治療されていない、または他のアレルギー薬に耐えられない人にのみ使用すべきであるとFDAは判断しています。喘息患者の場合、モンテルカストを処方する前に、医師、薬剤師がメンタルヘルスの副作用の利点とリスクを考慮することを推奨しています。

薬局でも、花粉症シーズンには抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬(モンテルカスト)の組み合わせの処方箋を受け付けることがよくありますが、漫然と続けることに対して注意しつつ、患者さんの生活への影響も考慮して、お話させていただきます。第一選択として使われる治療法ではないこと、他の有用な方法(点鼻ステロイド、抗ヒスタミン薬の切り替え)で症状がコントロールできないときに検討され、副作用のリスクコミュニケーションを取りながら服用できるよう、お手伝いができればと思います。

すでに多くの人が使っており、喘息のコントロールに長期で服用されている方もいらっしゃると思います。しっかりコントロールできているかどうかをかかりつけの医師、薬剤師と相談しながら、安心して症状を改善するための薬物療法に取り組みましょう。

詳しくはFDAの該当記事を参照してください。 → https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-and-availability/fda-requires-boxed-warning-about-serious-mental-health-side-effects-asthma-and-allergy-drug


<Pharmacy Tips !>
#LDLを70未満に抑えると脳卒中の再発を減少させることができる。
虚血性脳卒中またはアテローム性動脈硬化の証拠を伴うTIAの後、1リットルあたり70 mg未満の目標LDLコレステロール値を有する患者は、1リットルあたり90 mgから110 mgの目標範囲を有する患者よりも、その後の心血管イベントのリスクが低かった。