2020年3月2日、頻繁に歯磨きをすると糖尿病のリスクが減少するという研究「Improved oral hygiene is associated with decreased risk of new-onset diabetes: a nationwide population-based cohort study」が発表されました。

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2020年3月2日、頻繁に歯磨きをすると糖尿病のリスクが減少するという研究「Improved oral hygiene is associated with decreased risk of new-onset diabetes: a nationwide population-based cohort study」が発表されました。 → https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00125-020-05112-9(アブストラクトのみ、全文は有料)

糖尿病ではない韓国国民健康保険システム-健康スクリーニングコホートの188,013人のデータを分析した研究です。この研究によると、追跡調査期間の中央値である10年間で、糖尿病の新たな症例が31,545件あり、全体で10年間の推定発生率は16.1%でした。その割合は、ベースラインで歯周病のある人では17.2%であったのに対し、そうでない人では15.8%であり、これは複数の交絡因子の調整後でも有意差がありました(ハザード比[HR]、1.09; p<.001)。欠損歯がない場合と比較して、新たに発症する糖尿病のイベント率は、欠損歯1本(HR、1.08; P <.001)で15.4%、15本以上の欠損歯で21.4%上昇したとしています。(HR、1.21; p<.001 )。専門家による歯のクリーニングは、多変量解析後に有意な効果はありませんでした。しかし、個人による毎日の歯磨きにおいては、1日0-1回と比較して、1日3回以上ブラッシングした人は、糖尿病発症のリスクが有意に低かったとしています(HR、0.92; P <.001)。サブグループ分析では、52歳以上(HR、1.06)と比較して、51歳以下の成人(HR、1.14)の歯周病は新たに発症した糖尿病とより強く関連していました。

アブストラクトのみですが、頻繁に歯磨きすることは、新たに発症する糖尿病のリスクを軽減する要因であるかもしれません。また、歯周病の存在と欠損歯数の増加が増大要因であるかもしれません。口腔ケアにおいては、専門家の歯科医師、歯科衛生士が取り組むプロフェッショナルオーラルケアの他に、家庭でもできるベーシックオーラルケア(BOC)も大変重要です。口腔内から身体の健康に影響を与えているデータも続々と出てきており、ベーシックオーラルケアを専門にした本も2020年3月10日に発売が予定されています。 → 医療・介護の現場で役立つ ベーシックオーラルケア

歯磨きの仕方だけではなく、家庭内歯科用品のご相談も承っておりますので、ぜひ薬局お茶の水ファーマシーまでご相談くださいませ。

<Pharmacy Tips !>
#痛風発作も慢性腎臓病進行のリスク因子
18歳以上の痛風患者6万8897例(痛風罹患群)と年齢や性別等をマッチさせた55万4964例(対照群)とを、中央値で3.68年の追跡した結果、CKD進行のリスクは対照群と比較して痛風罹患群で、29%有意に上昇(HR 1.29、95%CI 1.23-1.35、P<0.001)したことがわかり、痛風発作は慢性腎臓病進行の独立した危険因子であることが明らかになりました。
BMJ Open. 2019 Aug 28;9(8):e031550. doi: 10.1136/bmjopen-2019-031550.